ベンチャー営業マンの米国株投資

UCLA卒の筆者が主に米国の株投資に関して投稿していきます。 40歳までに(現在28歳)アーリーリタイアを目指して、仕事に投資に没頭していきます

楽天の株を持ち続ける理由である、3つの「成長」に関して余すことなく語る

この記事について

この記事では私が楽天の株を持ち続ける理由を、最新の決算資料を引用しながら、説明いたします。

corp.rakuten.co.jp

持ち続ける理由①:楽天ポイントを利用した「楽天エコシステム」の成長

この1枚のスライドが表しているかと思いますが、楽天の強みはずばり、楽天ポイントを利用することで、グループ間の他サービスを利用することが出来る点です。例えば楽天カードでたまったポイントを、楽天市場の商品の購入のために使ったり、最近では投資信託の購入にも使えるようになっています。

楽天は独自の指標である『メンバーシップバリュー』の拡大のために投資を続けてきていて、アクティブユーザー数 × クロスユース率 ×(LTV - CAC) = メンバーシップバリューという式で表しているようですね。

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

なんでこれが大事かというと、ECモールである楽天市場からビジネスが拡大した、楽天ならではの考え方だと思うのですが、楽天は古くから限界CPO(限界CPAともいいますね)という考え方があります(ネットショッピングのビジネスモデルやSaaSのビジネスモデルを知っている人は聞きなじみがあるかと思います)。簡単に言うと、顧客を一人獲得するために、限界までかけることができるコストのことでして、顧客一人当たりのLTVを伸ばせれば、限界CPOも大きくなってきます。

限界CPOが大きければ、仮にマーケットに競合がでてきたとしても、利益がでるギリギリまで販促コストをかけて(時には利益を減らしてでもコストをかけて)競合を蹴散らすことが出来ますし、既存顧客から生まれる収益をほかの事業に注ぐことだってできますね。

既存顧客を育成してエンゲージメントを高めつつ、LTV >= CACという式が成り立てば、理論的には継続的に成長していくということになります。マーケットでの競争力も高まりますので、メンバーシップへの投資は中長期的に効いてくるはずです。

 

んで、どうやってそのメンバーシップバリューを伸ばしているかというと、楽天市場のSPUによる施策が成功しているようで、クロスユース率はなんと71.9%まで成長しているとのとです。

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

短期的な利益を出したいなら、はっきり言って楽天市場のSPUなんてやるべきじゃないです。しかし、中長期でどうやって勝っていくか?と考えるとメンバーシップバリューの成長は不可欠なのでそこに対する投資は惜しまずやっている印象です。

持ち続ける理由②:積極投資を可能にするフィンテック分野の成長

楽天っていろいろな事業をしていますよね。2019年を賑わせた日本の企業の一つだと思います。主に3つの分野の投資を加速させていて、物流、モバイル、ペイメントとなっています。

 

まず物流ですが、楽天市場の出店店舗向けに全国に物流網の整備をしています。さらに、それをどこよりも低コストで配送できるようにするということで、かなりの投資額になっているかと思います。Aて、、、Amazonかなw

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

次にモバイル事業のための基地局設置ということで、こちらも相当な投資額になっているのではないでしょうか。月額2,980円&最初の1年間無料のプランを発表したり、本当に大丈夫なのかって声もありますね。

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

(長くなるので、ペイメントは割愛しますw)

 

んで、合計でどれぐらい投資に使ったのかは以下を見ればわかるかと思いますが、

前年比でおよそ4倍の投資額になっていることがわかるかと思います。

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

さて、ようやく本題ですが、なぜこんなに投資ができるのか自分なりの理解があります。ずばりフィンテック分野の堅調な成長が支えていると思っています。

 

審査がゆるい、で有名な楽天カードですが勢いが半端じゃない。過去最高のペースで加入者数を増やしています。

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

また、キャッシュレス化の波に乗ってきっちり収益を伸ばしていることが分かるかと思います。利用中のクレジットカードってコロコロ変えるものではないのですし(ちなみに筆者も楽天カードです)、キャッシュレス決済普及率を考えますと、まだまだ伸びていくことが予想できます。

 

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

個人的にすごい仕組みだなって思うのは、楽天銀行です。見てわかるように楽天銀行の預金残高が3兆円を超してきたことがわかるかと思います。何が言いたいかというと、『超低金利で資金調達している』っと言い換えることができると思っています(ファイナンスの専門家からは、ちげえよ!って言われるかもですがw)。

金融機関からの資金借り入れの相場感が私になく恐縮なのですが、楽天銀行の普通預金金利は0.02~0.1%です。 0.02~0.1%の間で資金調達ができる事業会社って、あんまりないんじゃないですかね?

しかも、楽天社員は基本的には楽天銀行を使っています。普通の会社は給料を払うと会社からキャッシュがアウトしますが、多くの楽天社員の給料は楽天銀行に振り込まれます。結果、キャッシュを内部にとどめておくことができますので、グループ全体で投資を加速させることが出来るんですね。

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

持ち続ける理由③:収益の成長

積極的な投資の結果、最終的には330億の純損失という結果です。ただ、注目すべきは売上収益と営業利益です。売上収益に関しては見事に2桁成長を達成しています。また、営業利益は大幅に減少しているものの黒字で着地していることが分かります。

以下の決算から読み取れることは、『投資額が増えたので利益を圧迫した形になったが、本業は好調をキープしている』ということなんですね。 最終赤字なのは、有価証券の評価額や売却損がでているということかと思います。

 

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出典: 2019年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

 

総論

日本のEC化率(ネットでものを買う比率)や、キャッシュレス比率、を考えるとこれからも収益は伸びていくと予想ができます。

また、堅調なフィンテック事業によって生まれるキャッシュを、モバイル、物流、ペイメントなどの新規事業に投資をしていくことで新たな収益の柱を育てていく体力があります。

新規事業ができるたびにアクティブユーザーのクロスユース率を高め、メンバーシップバリューを成長させることで、今後も収益が上がっていくのではと予想しています。

 

長かったですが、以上余すことなく語りました。それではよい投資ライフを~。

 

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